葉酸サプリのヨウ素が甲状腺に与える影響~バセドウ病・橋本病~
葉酸サプリの副作用における質問はよく頂くのですが、中には
「葉酸サプリに入っている成分で甲状腺の病気にはなりませんか?」
という質問を頂くことがあります。
これは葉酸サプリに配合されている「ヨウ素(ヨード)」の過剰摂取を心配されてのことだと思います。
そこでここでは安心して葉酸サプリを飲めるように甲状腺と葉酸サプリの関係を詳しく解説していきたいと思います!
甲状腺の病気の種類と原因とは
喉ぼとけの下方にある臓器を“甲状腺”と呼びます。
体内のヨウ素を使い甲状腺ホルモンを生成し、血液中に分泌しているのですが、体質の変化やストレスなどにより甲状腺ホルモンが乱れると甲状腺の病気が発症してしまいます。
主に甲状腺に発症する病気は以下の3つです。
- バセドウ病
- 橋本病
- 甲状腺腫瘍

甲状腺ホルモンは神経細胞と外側ナトリウム濃度のバランスを調節する働きをしていて、新陳代謝を高めたり、成長を活性化させたり、知能の発育や皮膚の生成にも必要不可欠なミネラルなのです。
ヨウ素はこの甲状腺ホルモンの成分となります。
バセドウ病
甲状腺機能亢進症とも呼ばれ、甲状腺ホルモンが必要量以上に分泌されることによる病気の1つです。
主に動悸、手指の震え、イラつき、目が出る、微熱などの症状が発症することが多く、ストレスなどが原因となっていることが多いとされています。
治療には抗甲状腺剤、外科的手術、放射線治療が用いられることがあります。
また、妊娠中にバセドウ病が発症してしまうと流産や早産の確率を若干上げてしまうこともあるため、早めの治療が必要となります。
橋本病
甲状腺機能低下症とも呼ばれ、甲状腺ホルモンが減少することにより発症する病気の1つです。正確には慢性甲状腺炎とも呼びます。
主にむくみ、無気力、疲労感、便秘、月経異常、記憶障害、抑うつといった症状が発症することがあり、ヨードの過剰摂取や欠乏、先天性によるものが原因と言われています。
治療方法は症状によっても変わりますが、合成T4製剤(チラーヂンS®)という薬を使用してホルモン数値が落ち着くまで治していきます。
甲状腺腫瘍
その名の通り甲状腺に腫瘍ができることで、これは良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。
良性腫瘍の場合は手術の必要はありませんが、悪性腫瘍の場合は甲状腺癌ということになり手術が必要になります。
症状としては首の全面にしこりがある、リンパ腺が腫れる、声が擦れるなどが見受けられます。手術をすれば生存率は90%以上とされており、一般の癌に比べると予後は良好とされています。
葉酸サプリにおけるヨウ素(ヨード)の過剰摂取の可能性
葉酸サプリメントにはヨウ素が配合されているメーカーも多いです。
ヨウ素を過剰摂取すると甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症を発症させる原因と言われていますが、基本的に甲状腺に元々異常がある人でなければヨウ素によってこれらの病気が発症することは考えにくいです。
前述した通り、ヨウ素は必要不可欠なミネラルのため欠乏しても良くはありません。摂取量のバランスが大切です。
特に、ベルタ葉酸サプリ・ママニック葉酸サプリなどは安全性を重視しヨウ素を酵母培養段階で取り込ませているため、食事からの摂取を考慮し過剰摂取にならない量を配合しています。
ただし既に甲状腺の病気になっている方や、甲状腺に異常のある方は葉酸サプリはもちろんヨウ素を自らの判断で摂取するのは中止し医師の指示を受けましょう。
葉酸サプリに配合されているヨウ素(ヨード)は微量のため、正常な方であれば1日の推奨摂取量を守っていれば問題ありません。