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多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠できる?原因や治療法について

多嚢胞性卵巣症候群

最近は結婚する年齢も高くなり、不妊症治療を考えている女性も多いはず。
いろいろな不妊原因がある中、排卵障害の1つである多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された女性や、不妊原因について知りたい人などもたくさんいるのではないでしょうか。
ここでは意外と知られていない多嚢胞性卵巣症候群についてご紹介しましょう。

多嚢胞性卵巣症候群とは?

ちょっと難しそうなネーミングなので、ますます不安を感じてしまいそうですが、この多嚢胞性卵巣症候群は婦人科の疾患の中でもとても多い排卵障害の一つと言われています。
日常の生活にも影響が出たり不妊の原因になってしまうため、治療することが大切な病気です。

卵胞は卵巣の中で成長し一定の大きさになって子宮に排出されますが、多嚢胞性卵巣症候群の場合は卵胞の成長に問題によって不妊を引き起こします

そして卵巣に幾つもの不完全な卵胞が卵巣内に溜まってしまうという疾患で、英名の「polycystic ovary syndrome」を略してPCOSと言われています。
ちなみに育ち切っていない卵胞が10個以上溜まっていると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されます。

多嚢胞性卵巣症候群になっても妊娠できるのか

多嚢胞性卵巣症候群になってしまうと、不妊原因となります。
しかし治療を行って改善すれば妊娠も可能です。

スエーデンでは35歳以上の多嚢胞性卵巣症候群の女性を対象に調査をした結果、8年間で91名のうち86.7%が妊娠したとのこと。そのうち自然妊娠による出産は73.6%とのこと。

この結果は多嚢胞性卵巣症候群の可能性のある女性にとっては、とても勇気づけられる数字ではないでしょうか。

多嚢胞性卵巣症候群の原因

多嚢胞性卵巣症候群になってしまう原因は様々ですが、主に以下のようなことが考えられています。

ゴナドトロピン異常

多嚢胞性卵巣症候群の原因は、まだはっきりとすべて解明されていません。
分かっていることは脳下垂体から卵胞の発育を促進する

  • LH(黄体形成ホルモン)
  • FSH(卵胞刺激ホルモン)

のバランスにトラブルが起こるというものです。

黄体形成ホルモンが卵胞刺激ホルモンを上回って分泌されると、卵胞の成長がうまくできません。
それによってなかなか卵子へ成長できずに途中で止まってしまうのです。

脂肪組織の機能異常

すい臓から分泌されたインスリンには、血液中の糖の割合をコントロールする働きがあります。

しかし太った人の場合、アディポサイトカインという物質が異常に分泌され、血液中インスリンの割合が異常に高くなってしまいます。
これによって内分泌異常が起こり、アンドロゲンの産生が増え、排卵障害や月経異常を引き起こすこともあります。

多嚢胞性卵巣症候群の症状や生理との関係とは

月経異常

卵巣ホルモンが正常であることによって定期的に生理があって、それが妊娠のためには不可欠なメカニズムなのです。

しかし多嚢胞性卵巣症候群によって、月経がまったく来ない無月経や40日以上の間隔が空いてしまう希発月経になることもあります。

また、生理は来ていても無排卵月経のこともあり、その場合は基礎体温を付けているとグラフがまっすぐになっているはずです。

男性化の徴候

男性ホルモンのアンドロゲンの産生が増え、女性らしさである胸が小さくなったり、薄毛が目立つようになり、逆にすね毛などの体毛が濃くなったり、薄くヒゲが生えたり、ニキビが増えることもあります。
また、声まで男性のように低くなるということもあるのです。

糖尿病

多嚢胞性卵巣症候群の症状が出ている女性の約40%という非常に高い割合で40歳までに耐糖能異常や糖尿病を発症します。

年齢が高くなると体重が増えやすくなり、血糖のコントロールが利きにくくなるので、体重の管理も必要となります。
特に改善しないまま妊娠してしまうと、妊娠糖尿病になる可能性もあるため、妊娠前にしっかり改善しておきましょう。

心血管疾患

肥満傾向は多嚢胞性卵巣症候群になる可能性が高く、多嚢胞性卵巣症候群を発症してしまうとさらに、お腹の脂肪が蓄っていきます。
それによって頸動脈や冠動脈などの血管疾患が増えてしまうことにもなるのです。

多嚢胞性卵巣症候群の検査方法

多嚢胞性卵巣症候群の検査方法は婦人科で受けることができるので、不安な点があったらまず相談してみましょう。

血液検査によって血液中のホルモン濃度をチェックする方法と、超音波によって卵巣内の様子を見る超音波検査法があります。
まだまだ妊娠は考えていないという女性でも、病気が見つかってから治療する時間も必要です。

そのため大切な人生計画を崩さないためには、妊娠を考える前からしっかりチェックしておくといいでしょう。
特に自覚症状があまりなくても、一つでも気になることがあれば産婦人科などに相談してみることもおすすめです。

多嚢胞性卵巣症候群の治療方法

肥満の改善

体重計BMIが25以上の場合、数値を下げる努力が必要となります。
まず食生活の見直しや運動の見直しをして、肥満改善をしていきましょう。

生活習慣病の予防と排卵障害の改善のダブルで効果が期待できます。
1~2カ月で1割減量を目標として、最低でも半年は減量を続けましょう。
また、デンプン質や砂糖分など糖質をできるだけ減らすようにします。

排卵誘発剤の利用

排卵誘発剤を服用して排卵を促す方法があります。
クロミフェンクエン酸を含んでいるクロミッドなどは、副作用もあまり強くなく人気のあるお薬です。

ただし結果が出るまでの即効性がないため、長時間服用する必要があります
それによって子宮内膜が薄くなりやすく、今度は着床トラブルが起こりやすいとも言われています。

クロミフェン療法は卵巣が刺激されすぎてしまい、腫れたりお腹に水が溜まるなどの副作用が起こることもあります。

このクロミフェン療法でもなかなか卵胞の成長が促進されない場合は、メトホルミンの併用も試されます。
それでもなかなか妊娠が難しいようであれば、ゴナドトロピン療法という注射療法もあります。

腹腔鏡下卵巣多孔術

肥満の改善やクロミフェン療法やゴナドトロピン療法を行っても、なかなか排卵が期待できない場合には、腹腔鏡下卵巣多孔術が行われることもあります。

電気メスやレーザーによって卵巣表面にたくさんの小さな穴を開け、それによって排卵を促すというものです。
手術が必要ですが、高確率で自然排卵、妊娠が得られる方法と言われています。

しかし卵巣を過剰に熱するため、卵巣機能低下のリスクがあるとも言われており、自然排卵が正常でいる期間はあまり長くないことがほとんどです。

漢方薬

漢方薬というと体質改善と思われがちですが、柴苓湯(さいれいとう)は多嚢胞性卵巣症候群による排卵障害に効果があると言われています。
排卵誘発剤などの治療をしながら柴苓湯を併用して、より排卵率が高まるとも言われています。

また柴苓湯を2ヶ月程度服用して、排卵が回復したという実例もあるのです。
体内でつくられるステロイドホルモンのような働きをすると言われています。

ピニトールの摂取

アイスプラントマメ科の植物に含有されるイノシトールの一種で、最近は多嚢胞性卵巣症候群に効果があると言われている栄養成分です。
インスリンと同じような働きをしてくれるため、血糖値を下げる働きがあり、太りやすい体質の改善にも効果が期待されています。

そのため、ピニトールは妊活でも注目されるようになり、最近ではベジママママナチュレ葉酸などピニトールを配合する妊活サプリなども増えてきています。

ピルの使用は安全か

多嚢胞性卵巣症候群の改善の方法として低用量ピル(OC)を使う場合もあります。

無月経や月経不順の治療法であるカウフマン療法というものと、基本的に低量ピル治療はメカニズムがとても似ており、ホルモン製剤の代わりにピルを使うというものです。

ピル療法は、高LHを正常にして月経周期を取り戻し、排卵できる状態にすることができると言われています。
もちろんピルは避妊薬なので、多嚢胞性卵巣症候群を改善するために使いますが妊娠はできません

ホルモンが正常に戻ったら、ピルをやめて妊娠を目的に行動しましょう。