子宮奇形でも妊娠できる?流産の確率などについて
子宮奇形とは一体どのような原因で起こるのでしょう。
自覚症状はどのようなものがあるのか。
早期発見ができるものなのか、不妊と関係があるのかなどまとめてみましょう。
子宮奇形でありながら自然妊娠する人もいると言われています。
ではどのようにしたら自然妊娠ができるか、もう少し子宮奇形について掘り下げてみましょう。
記事の内容
子宮奇形はいつわかるのか
子宮奇形は自覚症状はほとんどなく、不妊治療などの超音波検査で発見されることがほとんどです。
また子宮などの手術などをしたときに見つかるなど、偶然見つかることが多いと言われています。
子宮奇形は着床障害の1つで、不妊原因や妊娠しても流産を引き起こす原因となる場合もあるので、その場合は妊娠を希望している人は注意しなければなりません。
流産を繰り返す人は不育症の可能性があると言われてり、何かの原因によりお腹の中で退治が育たない原因の一つに子宮奇形が考えられます。
当然子宮奇形だけが不育症の原因ではないので、子宮奇形の可能性も考えてしっかり検査をすることになります。
また、子宮奇形といっても一つの症状ではなくいろいろな奇形があり、子宮奇形であっても不育症の原因になるとは言い切れません。
不妊や流産に関係する奇形に関しては、手術を受けることが必要となります。
子宮奇形になっても妊娠できる?
子宮危険は人それぞれいろいろな状態があるので、手術をしなくても妊娠できる場合もあります。
しかし不妊や流産と深く関わっている可能性がある子宮奇形のタイプによっては、治療をした方が妊娠の可能性が高くなります。
まずどのような奇形かをきちんと検査することが大切です。
流産になる確率は?
受精までは正常に進んでも、受精卵が着床するためには子宮内膜が厚く、適度な粘り気のある安定した状態でなければなりません。
しかし子宮奇形があると、それによって血液の流れが悪くなり、子宮内膜の状態が安定しないこともあります。
やっと受精ができても着床できなかったり、着床しても途中で子宮内膜が剥がれてしまって流産になってしまうこともあるのです。
もちろん子宮内膜が剥がれる原因は子宮奇形以外にもいろいろ考えられますが、子宮奇形が原因という場合もあります。
子宮奇形は女性の約1~5%と言われており、その中の不妊症女性は約3%前後、反復流産は5%~10%、妊娠してからある程度週が進んでからの流産が25%以上とされているのです。
また、子宮奇形のタイプがいろいろあり、それによってもまったく不妊や流産と関係ないものと、深く関係する可能性のあるタイプあります。
このことから割合は高くないものの、もし子宮奇形があり流産や不妊にかかわる可能性が考えられる場合は、手術などで改善することが必要となるのです。
子宮奇形の種類や状態について
双角子宮
双角子宮は子宮奇形の中でも一番多いタイプの奇形です。
卵管、膣などには特に問題がない場合も多く、子宮内膣がハート型になってしまっているタイプなどは、自然妊娠することも可能です。
ただし不妊や流産の可能性もあるので、不妊に悩む場合は手術する場合が多くなります。
弓状子宮
弓状子宮は検査では、なかなか見つかりにくいタイプです。
子宮の上部に子宮底部が弓状にくぼんでいるもので、特に不妊の原因にはあまり関係ないため手術することはありません。
単角子宮
単角子宮は、子宮の大きさが正常の子宮の2分の1程度しかないなど、自然妊娠はできますが帝王切開となります。
手術によって改善することは難しいと言われています。
中隔子宮
中隔子宮は子宮の形は正常のようですが、中に壁があり大半が分かれている状態です。
不妊や流産の可能性があるので、手術が必要になりますが、手術後妊娠した場合は帝王切開となります。
重複子宮
重複子宮は独立した子宮が別々に2つ存在し、子宮口も腟も2つ存在するものです。
自然妊娠は普通にでき、手術はしないことがほとんどですが出産時は帝王切開となります。
子宮奇形は遺伝する?
欧米において子宮や膣に奇形により、妊娠はできても分娩が難しい女性の卵巣から卵子を取り、代理母分娩を行ったときには、誕生した男女の子どもに性器の異常はありませんでした。
また姉妹で子宮奇形であったという例もありますが、一卵性双胎であっても2人とも子宮奇形にならず1人だけ子宮異常が認められた例もあるのです。
他にも子宮異常の人の親族に、同じような子宮異常の人が多いということは、調査しても特に見つかっていません。
そのため、現在の時点では遺伝とはあまり関係ないと考えられています。
子宮奇形の検査方法
子宮奇形の検査は、
- 子宮卵管造影検査
- 超音波断層法
- MRI
- 子宮鏡
- 腹腔鏡
など一つではなく、総合的に行うことがほとんどです。
一番簡単にチェックすることができるのは超音波検査ですが、弓状子宮や中隔子宮の場合は超音波検査だけでははっきり診断することはできません。
そのためMRIや子宮卵管造影検査を行って、総合的に子宮の形を検査するようになるのです。
子宮奇形の治療法
特にトラブルがなければ治療はしません。
しかし不妊や流産の原因になっている可能性がある場合は、手術で奇形部分を正常に戻す手術をします。
その手術法は、お腹にメスを入れる開腹手術によって正常なかたちの子宮につくりかえる形成術と、腹腔鏡による形成術があります。
その人の状態によって手術法は限定されることもあります。
最近は中隔子宮の場合、子宮鏡手術を選択できるようになっています。
子宮奇形であっても必ずしも手術が必要ということはなく、手術が妊娠率を高め流産率を低下させる場合に行うものです。
形成術を施すとどうしても子宮壁が弱くなるので、お産は通常の経腟分娩ではなく、帝王切開が一般的となります。
手術の費用や入院期間は?
奇形の種類の中には「中隔子宮」「単角子宮」「双角子宮」「重複子宮」「副角子宮」「弓状子宮」など、いろいろな奇形があり、すべてが不妊にかかわるものではありません。
しかしこの中で中隔子宮は不育症と深く関わっていると言われています。
奇形の種類や個人の状態によってまったく手術も違ってくるため、費用や入院期間はそれぞれとなります。
そのため、はっきりした入院期間と料金はお伝えできません。
それぞれ医師と話し合うことが大切です。
一例として中隔子宮の場合、一般的には子宮鏡下手術で2泊3日ほどの入院が必要となり、費用は7~15万円程度となると言われています。
子宮奇形の原因について
子宮奇形の原因ははっきりとは分かっていませんが、先天性異常のものがほとんどと考えられています。
妊娠初期にミューラー管と呼ばれる子宮になる器官が左右に一つずつあり、それが一つになって子宮が出来るのです。
しかし二つが一つになるときに、途中で何かのアクシデントに遭ってしまうと、結合が止まってしまうことで、変形した子宮ができてしまう場合もあります。
元々ナスのような形の子宮ですが、先が割れているハート型のタイプや、1つしかないはずの子宮が2つあるタイプ、膣から子宮まですべて同じ器官が2つ存在しているタイプなど、その状態はいろいろです。
妊娠初期から奇形のリスクを低減する葉酸を
子宮奇形は偶然見つかることも多いため、予防の意識を高めることはなかなか難しいかもしれません。
しかし予防の1つとして覚えてほしいのが葉酸を摂取することです。
葉酸を始めとするビタミンB群は細胞分裂を促進する働きがあるため、奇形のリスクを軽減する効果が期待できます。
普段の食生活の中でそれらを補うのは難しいため、サプリメントなどを利用して積極的に摂取しておきましょう。